日本の多くのスキー場は、バブル時代に建設されたもので、バブル時代の余韻を残す設計になっています。今の日本では、アピールしなくてもスキー場に誰もが押し寄せてくるような時代ではありません。特に若年層ほど、スキー場にコスパを求める傾向があります。

スキー&スノボのハードルは高い
スキー&スノボというのは、ランニングなどと異なって、必要になる用具の数が多いというハードルがあります。また、その用具を使いこなしたり、滑り方をマスターするには、何度もスキー場に通う必要があります。スキー&スノボを上達させるには、かなりの時間・お金のコストがかかります。
現状において、スキー&スノーボードの敷居を高めているのは、スキー場自身だからです。スキー&スノーボードは、バブル時代と違って、既に一部の愛好家が行う狭い市場のスポーツになっていることを良く理解するべきでしょう。その上で、初心者向けのサービス拡充が必要になります。
初心者をどのように取り込むか
スキー場に求められるのは、「今まで興味がなかった層」を取り込んでいくことです。そのためには、スキー場が「素人向けのサービス」を増やしていく必要があります。具体的には、レンタルにおける「履き方」のトレーニング、レンタル前における格安の「30分の有料講習」、リフト乗り場のトレーニングなど基本的なトレーニングです。友達から聞くようなことを、1人でもお金を支払えば気軽にできるようにすることが大切になります。
例えば、スキー場でレンタルをする時に、スタンスを聞いてきて「レギュラー?グーフィー?」などと聞いてきますが、全くスノーボードをしない人にそんなことを聞く事態がおかしいのです。全くスノボをしない人は、レギュラーもグーフィーも分かりません。さらに、全くの初心者であれば、「どのような物をレンタルすれば良いのか?」というのを素人が理解するのも困難です。そのような初心者に向けてのサポート体制なしにレンタルで数千円~1万円を超える料金設定は初心者にとって「費用対効果」が見込めないのです。
とにかく初心者に敷居が高すぎるスキー場が多すぎるのです。何をどうすればいいのか?ということを分かりやすく明示して、初心者の人もイメージしやすいスキー場作りが必要になるでしょう。
レンタルの料金は高すぎる
スキー場のレンタルは、スキー&スノボセットで5000円、小物類(ヘルメット・ゴーグル・手袋など)、ウェア上下4000円ぐらいであり、何も準備をしない、もしくは割引なしで全てをレンタルするとなると、1万円以上は確実になってしまいます。さらに交通費、宿泊費用、飲食代金となると、1回のスキー&スノーボードで使うお金は数万円ということになってしまいます。
スキーウェアも、インスタ映えを意識したものになり、ファッション性が求められる時代になっています。
同じスキー場にリピーターがこない理由
インスタ映えを狙うのであれば、同じスキー場に何度も行くよりも、違うスキー場を楽しんだ方が良いということになります。同じスキー場に何度も行くことは、コスパが高いことであったり、楽しみ方が色々(インスタ映えする)あるなど、何か理由が必要になります。
日本人の若年層リピーターを増やすためには、食堂・レストランも「安くておいしい」必要があります。
外国人観光客向けになっている
日本のスキー場は、外国人観光客の団体客にスポットをあてたような方法で「日本のバブル第二弾」のようなものを突っ走ってきましたが、コロナ騒動のために外国人観光客の来日が停止して、外国人観光客に依存してきたスキー場は、来客が激減して危機的な状況に陥ろうとしています。
外国人観光客は、スキー場に団体で来てホテルに宿泊して、ほとんどがレンタルしてまとまったお金を落としてくれるので、日本人の個人客より楽に稼ぐことができるでしょう。しかし、そうした外国人観光客に依存するビジネスモデルを続けた結果、日本人の若年層に対するサービスが疎かになってしまうスキー場が多くなったのです。
スキー場PRの勘違いコンテンツ
スキー場の魅力を伝えるためには、マーケティングで初心者向けのスキー&スノーボードの遊び方を伝えて、スキー場の魅力を存分にPRしていく必要があります。スキー場の魅力を存分に伝えられるようなスキー&スノボファンを増やす動画を沢山配信していく必要があります。
先ずは、施設の分かりやすい紹介であったり、スキー場のコースの楽しみ方を紹介するYouTubeの動画を配信する必要があるでしょう。スノーボードを新入社員が始めてから、上手になるまでの企画など、ジワジワと注目を集める魅力的なコンテンツを配信する必要があります。また、中・上級者向けにキッカージャンプ、グラトリなどの配信もあると面白いです。いずれも、スノボに興味がないと配信できない内容です。
スキー場だけの問題ではない
「初心者が楽しめない」というのは、スキー場に限った問題ではありません。
従業員の工夫する目線
従業員は、実際にスキー場を利用して改善点を把握しておく必要があるでしょう。実際に現場に入ってサービスを提供している人でも、顧客の目線になって考えないと気がつかないことが多いです。顧客の側に立つと「不便だな」と感じることが沢山あり、そこをいかに解消するかということは、大切なことでもあります。
従業員を大切にすること
従業員を大切にすることは、顧客を大切にすることでもあります。多くのスキー場では、従業員の働き方がメチャクチャで、従業員の目が死んでいます。特にレストランサービスの従業員は、中抜けがある厳しい労働体系を強いられています。